2012年、原料藻の生産方式についての様々な試行錯誤の末、 高品質のアスタキサンチンを安定的に生産するにはアスタリール独自の生産方式である屋内バイオリアクター方式が最善であるというという結論に辿り着きました。これを受け、屋内バイオリアクター方式の唯一の生産拠点であったスウェーデン工場で、予測された需要増に対応するための設備増強を急ぎました。2012年だけでも計2回の増強を実施しています。しかし、あまりに短時間で急激に増産を試みたためか、なかなか思う様に生産量が上がりませんでした。
しかも、2012年から2013年にかけては想定以上に需要が急拡大した時期でもありました。どうすれば早期に生産が軌道に乗るか、日本本社からも多数の人員をスウェーデンに派遣し、現地生産現場での試行錯誤が続きました。さらに、需給切迫の状況を乗り切るべく、限られたアスタキサンチン原料をどの様にやり繰りし販売すれば顧客への影響を最小限に抑えられるか、連日の会議を繰り返したのでした。振り返ると、この時が私たちアスタリールにとっては、試練の時であったのかもしれません。結局この市場の旺盛な需要に対応しきれない困難な状況は、2014年にアメリカ・ワシントン州の新工場が生産を開始するまで2年半もの間、続きました。
安定供給の確保は私たちアスタリールの最優先事項の一つと捉えています。アメリカ・欧州や日本、その他のアジアの国々では、高品質な天然アスタキサンチンに対する需要が引き続き拡大を続けており、今後なお一層の拡大が予測されています。多くの人たちにこのアスタキサンチンを活用して貰うべく、過去の苦い経験も活かし、 安定供給への万全の備えを続けているところです。