基礎・臨床研究

アスタリールでは、アスタキサンチンのエキスパートとして、その機能性栄養成分としてのポテンシャル、さらには臨床分野での応用可能性について、自社および大学などの外部研究パートナーと共に研究を続けてきました。多くの人々が安心して活用できる様に、さらに新しいヘルスケアのパラダイムを拓くために必要な科学的エビデンスを積み上げるために、アスタリールはこれからもその研究をリードしていきます。
自然界におけるアスタキサンチン

自然界におけるアスタキサンチン

アスタキサンチンは、自然界に存在する赤色のカロテノイドで、食物連鎖の中で海洋生物や藻類が自らの生体やDNAを様々なダメージから守るために生成・蓄積していることが知られています。私たち人間も、それらを食物の一部として歴史的にも長い間摂取してきた食経験を持つ栄養成分でもあります。自然界においてアスタキサンチンがどの様に生物に活用されているか、特に鮭の話が有名です。

鮭は、海で回遊したのちに産卵のために生まれ故郷の川に戻り、激しい逆流を遡上し卵を産むことで知られています。これを可能にしているのがアスタキサンチンであると言われています。鮭は海で回遊している間、餌とするオキアミ(エビに似た甲殻類の動物性プランクトン)に含まれるアスタキサンチンを自らの筋肉に多く蓄えます。分類上は白身の魚であるはずの鮭の身が赤いのはこのためです。秋になり数百キロメートルも激流を遡上する際には、命に関わる激しい運動によるダメージに耐えなければいけない訳ですが、この時アスタキサンチンがそのダメージから筋肉を守り持久力を発揮することを可能にしていると考えられています。さらに、川を遡上し終えた鮭は赤い卵を産みます。これは、川底に照りつける太陽の紫外線から卵に含まれるDNAを守るために、卵にアスタキサンチンを移行しているためと言われます。

まさに、自然が長い年月をかけ作り上げたメカニズムこそ、このアスタキサンチンに宿っているものであると言えるでしょう。医学を始めとする科学は常に、自然界からインスピレーションを得てきました。その意味で、この自然界が作り上げたユニークなメカニズムを、私たち人間の健康マネジメントにも応用できないか、というのがアスタリールのアスタキサンチン研究の出発点です。

アスタキサンチンの特性とメカニズム

アスタキサンチンの特性とメカニズム

アスタキサンチンは、食品またはサプリメントとして摂取すると、血液に乗って身体中の様々な細胞に運ばれます。その独特な分子構造は様々な細胞の膜にフィットし、分子の中央にある共益二重結合がダメージの元となる活性酸素を無害化することで、代謝やシグナリングといった細胞同士のコミュニケーションで重要な役割を担う細胞膜をダメージから守る働きをすることが知られています。

私たち人間は、生きているだけで細胞にはストレスがかかり、それによって細胞は常にダメージを受けています。通常の場合、私たちの体に元から備わっている修復機能が働き、通常の細胞機能が維持されることになります。しかし激しい運動を繰り返したり、運動不足や偏った食事など不規則な生活習慣、さらに齢を重ねることで慢性化したダメージに対し、修復能力が限界を超えると、徐々に細胞の基本的な機能が低下し、生活習慣病などの慢性疾患に繋がっていきます。アスタキサンチンは、様々な研究によって、細胞膜上でその様な慢性的なダメージから細胞を守ることに役立つことが明らかになりつつあります。ビタミンCやE、βカロテンなどの様々な抗酸化物質も細胞膜上で似た様な作用を持つことも知られていますが、アスタキサンチンはその独特の分子構造ゆえに他の抗酸化物質とは異なるユニークな作用を発揮すると指摘されます。

さらに、アスタキサンチンは、細胞の中にあってそのエネルギー工場であるミトコンドリアの膜にも存在し、ミトコンドリアの機能を守る働きがあることも報告されています。近年、加齢や生活習慣病領域で注目を浴びるミトコンドリアに対し、作用を発揮している点は、機能性栄養成分としてのアスタキサンチンの最もユニークな点でもあります。

臨床への応用

臨床への応用

アスタリールでは長年の自社研究、外部研究機関との共同研究を通じ、筋肉およびその機能におけるアスタキサンチンの働きに注目しています。例えばスポーツ分野における幾つかの研究では、過剰な筋肉のダメージが抑制され持久力に関わるパフォーマンスが特に向上することが示されています。また加齢による骨格筋や筋機能の低下症状が見られる高齢者において運動ともにアスタキサンチンを摂取すると、運動だけではなかなか改善しにくい骨格筋量や筋力、筋持久力が優位に向上することが示されました。

さらには筋肉に関連し、循環器の分野でも様々な改善が報告されています。このことから、アスリートの持久力を向上させ、トレーニングや試合による過剰なダメージを最小限に抑え少しでも長い選手生命を維持するために活用することの可能性が見いだされます。さらに、近年社会問題化しつつあるロコモティブ・シンドロームやサルコペニアなどの様に、従来なかなか有効な解決策が見いだされて来なかった、加齢に伴う骨格筋とその機能維持の分野での活用に力を入れています。

さらに、アスタリールが進めている基礎研究と幾つかのパイロット臨床研究において、インスリン抵抗性や脳の認知機能における可能性も示唆されています。この分野では、遠くない将来の具体的な実用化を目指し、更なる臨床研究を進めています。上記の加齢に伴う筋機能低下と共に、現代の中高年やシニア世代は生活習慣病や加齢に伴う様々な機能低下・老年症候群のリスクに対処する手段が十分備わっているとは言えません。この分野で期待通りの研究成果を示すことができれば、その様なリスクに対し、日々の健康管理や予防、さらには栄養科学的な見地からの治療を実践するための新たなアプローチにおける中心的役割を担うことができると考えています。

栄養科学と独自のノウハウと共に
アスタキサンチンを世界に届けています。
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