アスタキサンチンの原料であるヘマトコッカス藻は、北欧を始めとする自然界によく見られる藻類でありながらも、その性質上外部環境に非常に敏感なため人工的に管理された環境で育成するのが非常に難しいという課題がありました。ラボスケールでの生育方法に目処を付けた研究チームも、なかなか簡単には一定規模での生産に漕ぎ付けることができず苦労の連続でした。
さらに、バイオベンチャーAstaCaroteneとして大学から独立して以降、その研究を支える資金の確保にも苦労を重ねていました。スウェーデンの有力財閥の資金援助も受けようやく完成させたのが、バイオリアクターによる生産方式です。これこそが、今アスタリール・グループが持つ独自生産方式の元となる技術となります。その後、AstaCarotene社は世界で初めてアスタキサンチンを商品化したサプリメントを欧州で発売。まさに、天然アスタサンチンの歴史の幕を開いた瞬間でした。
世界で初めてのヘマトコッカス藻の商業生産、世界で初めてのアスタキサンチン含有サプリメントの発売という金字塔を次々と打ち立てたAstaCarotene社でしたが、いくら可能性のある機能性素材といえど、多くのユーザーに知ってもらい活用して貰うことは容易なことではありませんでした。
生まれたばかりのバイオテクノロジー技術を抱えつつも販売に苦しんでいたタイミングで、丁度アスタキサンチンの生産を模索していたアスタリール・グループの目に止まり、合流することになります。スウェーデンの名門ウプサラ大学で生まれ、世界で初めての技術を次々に生み出してきたAstaCarotene社のDNAは、今ではアスタリール・グループのDNAの根幹の一部として脈々と受け継がれています。さらに当時の情熱を知るメンバーが、今でもアスタリール・グループで研究開発の重要な役割を担っています。