天然アスタキサンチン原料ならびに製品を世界中に供給している富士化学グループのアスタリール株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:西田光德)は、日常生活で生じる疲労(「肉体的疲労」と「精神的疲労」の両面)に対するアスタキサンチン(※1)摂取の効果を検証した結果、両疲労を同時に軽減する効果が得られたことがわかりました。
日常生活の疲労は肉体負荷と精神負荷の複合ですが、従来の試験方法では、肉体負荷のみ、あるいは精神負荷のみでそれらを評価していました。しかし本試験では、同一日内に脳と身体へそれぞれ負荷を課した後、両疲労感を評価する試験方法を取っており、さらにアスタキサンチン摂取による「肉体」と「精神」の両疲労感に関する効果が同時に検証できています。これらはサプリメントとしては初めてのことです。なおこの研究論文は、臨床医薬32巻7号(2016年7月末発行)に掲載されました。
■日常生活の疲労は、「肉体的」と「精神的」の複合
我々が日常的に経験する疲労は、体が重い、だるいなどの「肉体的」な疲労に加え、頭がぼんやりする、意欲がわかないなど「精神的」な疲労が存在します。日常生活が、勉強や事務作業などの精神作業と労働や運動などの肉体作業の両方から考えても、日常的に起こる疲労は精神と肉体の両方によるものと考えられます。
また、疲労は、時間経過により「急性疲労」(通常の疲労)と「慢性疲労」に分けられ、急性疲労の回復過程から十分に回復が得られないうちに、さらなる疲労が蓄積すると慢性疲労に陥ると考えられています。慢性疲労によって引き起こされた作業性の低下による経済損失は医療費を除いて年間約1.2兆円という報告(※2)もあります。つまり、日常生活で生じる両疲労を軽減しすみやかに回復させることが重要
であると言えます。
■現代人の疲労は脳を酷使する「精神的」が増加
そもそも、日常生活で生じる疲労を考えると、その原因が「肉体」または「精神」のみと限定することはできません。特に、現代人が感じる疲労は「肉体的」に加え、「精神的」な影響は無視できません。現代人の生活は、コンピューターや携帯電話等の普及により得られる情報量が格段に上がった反面、それらを処理しようと脳を酷使することによる精神的疲労を感じることが多くなっています。
従来の抗疲労製品では、肉体負荷のみ、あるいは精神負荷のみでそれぞれの疲労感を評価してきましたが、今回の試験では実際の生活に則して、精神負荷と肉体負荷を同一日中に課した後に疲労感を評価しました。
■アスタキサンチンで両疲労が軽減
年齢21~64歳の男女39名を2群に分け、20名にはアスタキサンチンを配合したカプセル(※1)(アスタキサンチン群)を19名にはプラセボカプセル(※3)(対照群)を8週間摂取させました。摂取前後および途中の4週目に、精神負荷(内田クレペリンテスト)と肉体負荷(自転車エルゴメーター)を課し、前後および休憩後にVisual Analogue Scale (以下、VAS)調査、Profile of Mood State (以下、POMS)調査、唾液コルチゾールおよび唾液分泌型免疫グロブリンA(sIgA)を測定しました。
その結果、VAS調査において「身体的疲労感」と「精神的疲労感」の両方が有意に改善されたとともに、これらに関係するイライラや体の軽快さに関する項目でも改善が認められました。ストレスにより上昇することが知られている唾液コルチゾールは、アスタキサンチン群で優位に低下し、慢性ストレスで低下するといわているsIgAは対照群で有意に低下したのに対して、アスタキサンチン群ではそのような変化はありませんでした。さらに、精神負荷として内田クレペリンテストを実施するにあたり、テスト後半における誤答の増加がアスタキサンチン摂取群では抑えられました。
※1 アスタリール株式会社のアスタキサンチンサプリメント「アスタビータe」
(1日あたりアスタキサンチン12mg、トコトリエノール20mg摂取)
※2 文部科学省疲労研究班 平成16年度報告書
※3 「アスタビータe」からアスタキサンチンを除いたカプセル
天然アスタキサンチン
その多くがヘマトコッカス藻を原料とした抽出物を用いて、動物試験および臨床試験が広く行われています。生体膜保護作用やミトコンドリアへの作用など、細胞レベルで作用することが確認されており、メタボリックシンドローム、非アルコール性脂肪肝(NASH)、アトピー性皮膚炎などの病態だけでなく、脳機能の改善、美肌作用、運動機能の向上など、健康増進における有効性も多く報告されています。また、肩こりや眼の疲れにも有効であるとも報告されており、アスタキサンチンは身体の一部の疲労に有効であることは確認されています。